2020-02-06から1日間の記事一覧
森鷗外『雁』再見NEW!2020-02-06 22:30:14テーマ:文学と思想 再見、再発見と言うべきか。再発見と云う言葉は恥ずかしい。小説を幾度か読み返して発見はあるものだが、今回の『雁』のような経験は希有である。 まずこれを、金貸し町人の妾であるお玉の悲恋物…
現代文学としての”トーニオ・グレーガー”・Ⅱ2011-07-24 17:46:27テーマ:文学と思想 同時代人としての感度の鈍さは、”トーニオ・グレーガー”と同時代に書かれた”マ-リオと魔術師”等を読むと一層明らかになる。とりわけ、この作が後にアファシズムとヒトラー…
現代文学としての”トーニオ・グレーガー”・Ⅰ2011-07-24 12:06:57テーマ:文学と思想 このたびトーマス・マンの”トーニオ・グレーガー”を読み直して今更ながらに知的な小説とはこのようなものかと、感動を新たにした。内容が知的であると云う意味ではない。水…
"トーニオ・グレーガー”再論2011-07-24 08:17:13テーマ:文学と思想 1.市民たちと芸術家の魂の対立市民社会の成立と管理化社会の徹底は、外見的には一見自由であるように見えて、内実は個性や個人的な自由度と云うものを必ずしも許容しない社会であること…
トーニオ・グレーガー問題2011-07-17 16:46:22テーマ:文学と思想 文学の世界に”トニオグレーガー問題”があるというのを微かに聞いたことがある。もちろん仲間内でおおっぴらに話したことはなかった。マンのこの本を読んだというと、ああ君もね!と、反応は…
メーリケ”旅の日のモーツァルト”2011-07-15 20:16:57テーマ:文学と思想 不思議な読後感が尾を曳く物語である。旅先でたまたま一夜の会話を交わしたに過ぎない、それでいて友としか呼べないような存在が立ち去ったあとの、がらんとした部屋に一人佇んで、自…