アリアドネの部屋・アネックス / Ⅰ・アーカイブス

アリアドネ会修道院附属図書館・アネックス一号館 本館はこちら→ https://ameblo.jp/03200516-0813  検索はhttps://www.yahoo.co.jp/が良好です。

2020-03-08から1日間の記事一覧

支配の政治力学としての宗教――ゲーテ『若きヴェルテルの悩み』・その3 アリアドネ・アーカイブスより

支配の政治力学としての宗教――ゲーテ『若きヴェルテルの悩み』・その32014-07-02 14:18:39テーマ:文学と思想 一神教は危険であるかと云うあるシンポジウムの問いかけの中で、キリスト教の固有性は神の御言葉と受肉化の思想にあると思った。十字架上の死で…

ヴェルテルという人間性――ゲーテ『若きヴェルテルの悩み』・その2 アリアドネ・アーカイブスより

ヴェルテルという人間性――ゲーテ『若きヴェルテルの悩み』・その22014-07-02 10:05:05テーマ:文学と思想 作品の文体としての眼と云うものを仮構するならば、人間ゲーテや作品の語り手として現れてくる作家としてのゲーテは愚かである、という感じがする。…

御言葉が言葉(文学)となり・・・――ゲーテ『若きウェルテルの悩み』その1 アリアドネ・アーカイブスより

御言葉が言葉(文学)となり・・・――ゲーテ『若きウェルテルの悩み』その12014-06-30 20:40:10テーマ:文学と思想 御言葉が言葉(文学)となり受肉化の思想の元で逆転した現実となる、あるいは反現実となる!――つまり言語は後追い的に事物に記される記号や…

西南学院大学の岡田温司氏を囲むシンポジウムを聴講して・Ⅲ――ハイデガーの方へ向かう冒険の旅 アリアドネ・アーカイブスより

西南学院大学の岡田温司氏を囲むシンポジウムを聴講して・Ⅲ――ハイデガーの方へ向かう冒険の旅2014-06-27 23:19:41テーマ:宗教と哲学 1.マルティン・ハイデガー『存在と時間』における「事実性」をめぐる議論 ジョルジョ・アガンベンによればハイデガーの…

西南学院大学の岡田温司氏を囲むシンポジウムを聴講して・Ⅱ――ベンヤミンの方へ向かう冒険の旅 アリアドネ・アーカイブスより

西南学院大学の岡田温司氏を囲むシンポジウムを聴講して・Ⅱ――ベンヤミンの方へ向かう冒険の旅2014-06-26 19:55:53テーマ:宗教と哲学 アガンベンの喜劇論、ベンヤミンの『運命と性格』に寄っている。 森田氏によれば、アガンベンを読むことの意義のひとつは…

西南学院大の岡田温司氏を囲むシンポジウムを傍聴して・Ⅰ――ジョルジョ・アガンベンについて アリアドネ・アーカイブスより

西南学院大の岡田温司氏を囲むシンポジウムを傍聴して・Ⅰ――ジョルジョ・アガンベンについて2014-06-26 15:00:38テーマ:宗教と哲学 雨になりそうな気配を感じながらも、前日、特別にお願いした西山先生ほかのご厚意で、表記のシンポジウムを傍聴することが出…

処女懐胎にみるヨーロッパの言語観における三位一体論 アリアドネ・アーカイブスより

処女懐胎にみるヨーロッパの言語観における三位一体論2014-06-21 22:53:52テーマ:文学と思想 先日の西南大学における岡田温司氏による講義は、聖母マリアの中に生じた受胎告知なり処女懐胎と云う超越的経験を、主として西洋の宗教絵画に素材を求めながら、…

407教室を聴講して アリアドネ・アーカイブスより

407教室を聴講して2014-06-20 23:36:29テーマ:宗教と哲学 講義の速記録をまとめてみる。 聖書と受胎告知 受胎告知、四福音書のなかでは、ルカ書にのみ記載がある。これは二方向から考えられる。① ユダヤの伝統とは異なったヘレニズムの伝統に於いて。もちろ…

映画『舟を編む』――言葉の固有な意味を求めて アリアドネ・アーカイブスより

映画『舟を編む』――言葉の固有な意味を求めて2014-06-14 11:12:59テーマ:映画と演劇 国語辞書における言語の定義や使用例が、経験を経由することで新たな言葉の再定義に至る、つまり言語から言葉への過程、無味乾燥なともいえる辞書言語や月並みな言語表現…

ユダヤ教との対話――西南学院百周年学術討議を傍聴して アリアドネ・アーカイブスより

ユダヤ教との対話――西南学院百周年学術討議を傍聴して2014-06-13 12:20:44テーマ:宗教と哲学 西南学院創立100周年記念学術シンポジウムのテーマは「一神教は危険か――宗教間対話の可能性」という壮大なものであるが、ユダヤ教を代表してジョナサン・マゴネッ…

映画『シラノ・ド・ベルジュラック』 アリアドネ・アーカイブスより

映画『シラノ・ド・ベルジュラック』2014-06-11 22:35:14テーマ:映画と演劇 梅雨の晴れ間の宵近く、雨を心配しながら七隈にある福岡大学の図書館に向かう。テーマは「映像にみるヨーロッパ文化――フランス語圏」その二回目とあって、ジェラール・ドバルデュ…

” かなしみをめぐる対話、言葉とコトバ ”アリアドネ・アーカイブスより

” かなしみをめぐる対話、言葉とコトバ ”2014-06-11 07:06:55テーマ:文学と思想 梅雨の間のけぶる小雨が止んだり降ったりするある日、近くの西南のコミュニティセンターへ夕方から向かう。 博物館の前はおりから百合の花が咲き誇っていた。 当日の二人の対…

時の花を挿頭に挿すべし――ある世阿弥論 アリアドネ・アーカイブスより

時の花を挿頭に挿すべし――ある世阿弥論2014-06-09 12:09:07テーマ:文学と思想 わたしと能の付き合いは古く、昭和四十九年の春だったと思うが、熊本の市民会館で喜多流の『海女』をみたのが初めてであった。当日シテを務められた狩野様というお方は、当時父…

武田百合子の『富士日記』・3 アリアドネ・アーカイブスより

武田百合子の『富士日記』・32014-06-03 20:08:51テーマ:文学と思想 http://thumbnail.image.rakuten.co.jp/@0_mall/book/cabinet/1220/12202841.jpg?_ex=200x200&s=2&r=1 http://thumbnail.image.rakuten.co.jp/@0_mall/book/cabinet/1220/12202854.jpg?_…

武田百合子の『富士日記』・2 アリアドネ・アーカイブスより

武田百合子の『富士日記』・22014-06-03 12:46:28テーマ:文学と思想 http://thumbnail.image.rakuten.co.jp/@0_mall/book/cabinet/1220/12202841.jpg?_ex=200x200&s=2&r=1 http://thumbnail.image.rakuten.co.jp/@0_mall/book/cabinet/1220/12202854.jpg?_…

武田百合子の『富士日記』・1 アリアドネ・アーカイブスより

武田百合子の『富士日記』・12014-06-03 11:19:03テーマ:文学と思想 http://thumbnail.image.rakuten.co.jp/@0_mall/book/cabinet/1220/12202841.jpg?_ex=200x200&s=2&r=1 http://thumbnail.image.rakuten.co.jp/@0_mall/book/cabinet/1220/12202854.jpg?_…

聖心女学院と追憶の須賀敦子 アリアドネ・アーカイブスより

聖心女学院と追憶の須賀敦子2014-06-02 10:05:32テーマ:文学と思想 文学等を読む場合はテクストに書かれたこと以上でも以下でもないというのが基本的な考えになっていると思うが、他方では凡そ入手できる限りでの情報は収集し渉猟すべきだし、実証主義の難…

武田百合子の『富士日記』の半ばを読んで アリアドネ・アーカイブスより

武田百合子の『富士日記』の半ばを読んで2014-06-01 19:19:12テーマ:文学と思想 武田百合子の上・中・下巻、三冊の中ほどまで読み進んだので感想を書いておく。この書は名著として色々な人がいろいろに論じているらしいので、わたしとしてはなるべく違った…

荷風23歳の作品『夢の女』アリアドネ・アーカイブスより

荷風23歳の作品『夢の女』2014-05-28 17:55:57テーマ:文学と思想 http://ecx.images-amazon.com/images/I/51EUFqqlMfL._SL500_AA300_.jpg 若き日の永井荷風23歳の作品、『夢の女』。不思議な作品である、不思議であるとともに、若書きなどと云う形容が見当…

宇野千代の『おはん』アリアドネ・アーカイブすより

宇野千代の『おはん』2014-05-18 22:44:57テーマ:映画と演劇 http://ecx.images-amazon.com/images/I/21d6WsX%2Bu%2BL._SL500_AA300_.jpg http://ecx.images-amazon.com/images/I/41ACAWQP3QL._SL500_AA300_.jpg 原作と映画化の関係は様々に論じうる。例え…