アリアドネの部屋・アネックス / Ⅰ・アーカイブス

アリアドネ会修道院附属図書館・アネックス一号館 本館はこちら→ https://ameblo.jp/03200516-0813  検索はhttps://www.yahoo.co.jp/が良好です。

映画”おくりびと”をみる アリアドネ・アーカイブスより

映画”おくりびと”をみる 2009-09-05 12:36:12 テーマ: 映画と演劇 米国アカデミー賞受賞以来全国でも有名になった名画の全国無料放映の一環である。全国津々浦々あらゆる公共施設を利用して上映されている。公民館は狭いので100名程度、昔の講堂であって…

メルヴィル監督・映画”いぬ”をみる アリアドネ・アーカイブスより

メルヴィル監督・映画”いぬ”をみる 2009-09-04 22:52:55 テーマ: 映画と演劇 モノクロの映像美と、表情を押し殺した即物性が同時期のヌーベル・ヴァーグの原点と言われる世評を納得させる作品である。ただし、登場人物も多く、光と影を多用するモノクロ画面…

ロジェ・ヴァディム映画”危険な関係”をみる アリアドネ・アーカイブスより

ロジェ・ヴァディム映画”危険な関係”をみる 2009-09-04 10:09:58 テーマ: 映画と演劇 この映画は二つの観点から興味を持った。一つは、ジャンヌ・モローの映画であること。二つは、ロジェ・ヴァデイムの監督作品であること。モローの悪女ぶり、ということか…

アメリカ映画"死刑執行人もまた死す”1943年をみる アリアドネ・アーカイブスより

アメリカ映画"死刑執行人もまた死す”1943年をみる 2009-09-02 22:36:18 テーマ: 映画と演劇 ”死刑執行人”と呼ばれたナチの実在の長官、ラインハルト・ハイドリッヒが1942年にチェコの愛国者に暗殺され、その見せしめのために、数百人のプラハ市民を、暗殺者…

回想のアメリカ映画”裸足で散歩”・資料編 アリアドネ・アーカイブスより

回想のアメリカ映画”裸足で散歩”・資料編 2009-08-28 15:44:12 テーマ: 映画と演劇 goo映画より<あらすじ>2月のニューヨーク。かけだしの弁護士ポール(ロバート・レッドフォード)とコリー(ジェーン・フォンダ)は、夢のようなハネムーンを終わってグリニッ…

映画”夜霧のマンハッタン”をみる アリアドネ・アーカイブスより

映画”夜霧のマンハッタン”をみる 2009-08-28 15:33:02 テーマ: 映画と演劇 このところ映画を集中的にみたので少し疲れた。最後は、軽めのアメリカ映画を紹介して一応の締めくくりとしたい。ロバート・レッドフォードとデヴラ・ウインガーの競演ということで…

2月のベスト10

2月のベスト10 NEW!2021-02-28 23:54:06 テーマ: ブログ 6位に漱石と鴎外について書いたもの、7位に有島武郎、が入りました。嬉しいです。 8位と9位に私のウォーキングあるいは逍遥散歩ものが何故か二篇も入りました。痛み入ります。 6 漱石『こころ』と鷗…

2月のベスト5

2月のベスト5 NEW!2021-02-28 23:48:35 テーマ: ブログ 2021年2月のベスト5です。私の拙い政治状況論は去年の8月以来一位をキープ、いつまで続くのでしょうか。 村上春樹ものが、ここにきて2、3、4位を独占しました。 5位は私の志賀直哉に関する論評が入…

ルコント映画”仕立て屋の恋”をみる アリアドネ・アーカイブスより

ルコント映画”仕立て屋の恋”をみる 2009-08-27 20:36:24 テーマ: 映画と演劇 これぞフランス映画といった仕上がりの映画である。映画を観る前のポスターのセンスであるとか、原作がシムノンであることを確認したら、ある程度の映画作品になるであろうことは…

ジョゼフ・ロージー映画”エヴァの匂い”をみる アリアドネ・アーカイブスより

ジョゼフ・ロージー映画”エヴァの匂い”をみる 2009-08-26 20:37:34 テーマ: 映画と演劇 フランス映画“エヴァの匂い”1962年作品。ジャンヌ・モロー、当時34歳。映画人としての彼女に抱くわれわれの幻想を、その純粋形にまで高めた作品ということができる。ジ…

トリュフォー映画”野生の少年”をみる アリアドネ・アーカイブスより

トリュフォー映画”野生の少年”をみる 2009-08-26 20:21:56 テーマ: 映画と演劇 史実としてのアべイロンの野生少年の事件とその顛末を知っているものに対しては複雑な印象を与える。結局イタール博士の献身的な試みは失敗に帰すのである。最終的には手に負え…

クリント・イーストウッドの”硫黄島プロジェクト”について アリアドネ・アーカイブスより

クリント・イーストウッドの”硫黄島プロジェクト”について 2009-08-25 18:49:12 テーマ: 映画と演劇 最初に”硫黄島からの手紙”を見たのが06年で、このたび”父親たちの星条旗”をみて、話題になった連作をようやく通して考えることが可能となった。”父親たち…

黒澤明”蜘蛛巣城”をみる アリアドネ・アーカイブスより

黒澤明”蜘蛛巣城”をみる 2009-08-24 09:49:26 テーマ: 映画と演劇 ”マクベス”の戦国日本に翻案した忠実な映像化である、と言われている。とりわけ、お能の所作を基本とした山田五十鈴の存在感が素晴らしい。かって日本の伝統的な社会に存在した、ひとのたち…

溝口健二”近松物語”をみる アリアドネ・アーカイブスより

溝口健二”近松物語”をみる 2009-08-23 16:19:39 テーマ: 映画と演劇 この映画の凄いところは、愛の自覚の到来が、義理や人情、恥や道徳、時代の要求する倫理性等、あらゆる規範性を超えるところにある。内面的で、つつましい商家の女将を香川京子が演じてい…

映画”クララ・シューマン 愛の協奏曲” アリアドネ・アーカイブスより

映画”クララ・シューマン 愛の協奏曲” 2009-08-18 23:37:08 テーマ: 映画と演劇 ”トロイメライ”や”子供の情景”とかの断片的なメロディを覚えているほか、は交響曲ライン等の数曲しか頭に浮かばない、わが国にはなじみの少ないシューマン。Tぽころがその妻…

クリント・イーストウッド”グラン・トリノ”をみる アリアドネ・アーカイブスより

クリント・イーストウッド”グラン・トリノ”をみる 2009-08-18 22:43:14 テーマ: 映画と演劇 クリントイーストウッド映画の集大成である。人間嫌いの頑固な老人が、過疎に伴うステイタスの変動で東洋人の町になりつつある住宅地で、偶然にその異邦人の生活の…

フランス映画の素晴らしさ――芸術と倫理 アリアドネ・アーカイブスより

フランス映画の素晴らしさ――芸術と倫理 2013-05-22 16:16:40 テーマ: 映画と演劇 ・ フランス映画の素晴らしさと云うことになるとフランソワ・トリュフォーの幾つかの作品が思い出される。しみじみとした抒情と云う意味ではマルセル・カルネの『マンハッタ…

ATGで見た回想の映画”野の百合” アリアドネ・アーカイブスより

ATGで見た回想の映画”野の百合” 2009-08-15 15:53:45 テーマ: 映画と演劇 映画の内容よりも、ひたすらあの、エーメン、エーメン、エ~メン、エーメン エーメンの歌が懐かしい曲、というか映画。同じ時期に見た、パゾリーニの”奇跡の丘”やゴダール”気違いピ…

ウィキペディアによる映画”アマデウス”資料編 アリアドネ・アーカイブスより

ウィキペディアによる映画”アマデウス”資料編 2009-07-26 18:08:54 テーマ: 映画と演劇 作品概要モーツァルトの才能を妬み殺害した、と語る年老いたサリエリの回想というスタイルをとっている。舞台版では再現不可能なプラハでのロケシーンや、オペラ『後宮…

『東京物語』の思い出 アリアドネ・アーカイブスより

『東京物語』の思い出 2014-02-17 11:46:52 テーマ: 映画と演劇 http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/2/20/Kamakura_Museum_of_Literature.jpg 鼎談がおこなわれた、鎌倉文学館 ・ たまたま西部邁と云う人の小津を語る、と云う番組を見ていたの…

映画”アマデウス”に連れられて アリアドネ・アーカイブスより

映画”アマデウス”に連れられて 2009-07-26 18:06:50 テーマ: 映画と演劇 この映画はモーツアルトの生涯の後半、ザルツブルグ大司教との決別から活動の拠点をウィーンに移し、彼自身の死までを、サリエリとの葛藤を通して描いている。全編に馴染みの音楽がふ…

クラリネット五重奏曲とアニエス・ヴァルダ アリアドネ・アーカイブスより

クラリネット五重奏曲とアニエス・ヴァルダ 2009-07-26 08:55:07 テーマ: 映画と演劇 まずは下記に引用した<データ>を読んで頂きたい。40年以上も前に見た映画が記憶の底から蘇る。印象派ルノワール風の映像美と、モーツアルト音楽の残酷な関係。<データ…

親しきものの死――映画”禁じられた遊び”にふれながら アリアドネ・アーカイブスより

親しきものの死――映画”禁じられた遊び”にふれながら 2009-07-08 22:10:19 テーマ: 映画と演劇 『禁じられた遊び』は死が日常化した戦時の現実において、死かいかにして固有なものLとなるか、という重いテーマを描いた作品である。映画のエンディングが、”…

回想のイングマール・ベルイマン――”日曜日のピユ”について アリアドネ・アーカイブスより

回想のイングマール・ベルイマン――”日曜日のピユ”について 2009-07-04 13:33:26 テーマ: 映画と演劇 日曜日に生まれた子は幸運をもたらすことができる、という伝承があるようだ。最晩年のベルイマンが何であったかを、息子のダニエル・ベルイマンが映画化し…

回想のベルイマン監督・映画”処女の泉”について――原罪とキリスト教的聖性(教会)の起源 アリアドネ・アーカイブスより

回想のベルイマン監督・映画”処女の泉”について――原罪とキリスト教的聖性(教会)の起源 2009-07-04 08:18:33 テーマ: 映画と演劇 映画の結末を長い時間をかけて反芻するうちに少しづつ意味が違ってくる、そんな映画です。最初は人間の原罪の起源とキリスト…

歌舞伎”木下陰真砂白浪”をみる アリアドネ・アーカイブスより

歌舞伎”木下陰真砂白浪”をみる 2009-06-30 21:30:05 テーマ: 映画と演劇 “六月博多座歌舞伎” 6月2日~26日博多座パンフレットより<1.木下陰真砂白浪>尾張国の矢作橋、ともに将来を夢見る若者の友市と猿之助は出会い、友市は日本中の金が懐にいる、…

小此木啓吾/河合隼雄 『fフロイトとユング』――たとえば木村敏の現存在分析の立場から アリアドネ・アーカイブスより

小此木啓吾/河合隼雄 『fフロイトとユング』――たとえば木村敏の現存在分析の立場から 2012-06-12 20:34:20 テーマ: 精神病理と現象学 http://ec2.images-amazon.com/images/I/51qYYgVTOiL._SL500_AA300_.jpg 少し古い本だが、20世紀の精神分析をおさらいす…

フランス映画『冒険者たち』とユダヤ性 アリアドネ・アーカイブスより

フランス映画『冒険者たち』とユダヤ性 2014-02-19 11:21:36 テーマ: 映画と演劇 。 お伽噺めいた冒険活劇なのに、前後の脈絡から外れて出てくる、まるで中世の様な山の寒村の風景、羊の群れの中に埋もれるようにして沈黙の言語を語る風景が遠い昔の予言者…

演劇空間の誕生 始原への旅・Ⅲ アリアドネ・アーカイブスより

演劇空間の誕生 始原への旅・Ⅲ 2011-02-04 07:11:31 テーマ:絵画と建築 6.おわりに 私たちは“親密な舞台と観客の原初的な関係”を如何にして取り戻すことが出来るのだろうか。それは芸術形式のあれこれの違いを論じることではなく、固有の演劇空間の成立の…

演劇空間の誕生 始原への旅・Ⅱ アリアドネ・アーカイブスより

演劇空間の誕生 始原への旅・Ⅱ 2011-02-04 07:08:32 テーマ:絵画と建築 4.大劇場の成立からバイロイトの祝祭歌劇場の演劇空間へ こんにちわれわれが具体的な劇場としてイメージする近代的演劇空間の誕生がどの段階であったかについては詳細の論議と議論が…