長谷川三千子さんの”日本語の哲学へ” アリアドネ・アーカイブス
長谷川三千子さんの”日本語の哲学へ”
2011-01-17 21:38:40
テーマ:文学と思想
かなりインパクトの強い本である。表題が瞬時に描く内容を読み透せずに、少し読み進んで多少は感想を言えるような段階で、”日本の哲学”ではなく”日本語の哲学”であることを合点した。
新書版という小さな体裁の割には多様な内容を含んでおり、二度三度読まないと正確な感想が書けそうもない。ただ一言作者の強いメッセージとして心に響いたのは、言葉に対する信頼、ということであった。とりわけ日本語への信頼が語られていて、長年此の国の欧米崇拝の思潮には違和感を感じていたので――その反対的な対概念である土着主義的発想も――、多少大げさな表現だが、心に喝采を叫んだ!