アリアドネの部屋・アネックス / Ⅰ・アーカイブス

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5月度のベスト・5

5月度のベスト・5
NEW!2020-06-02 01:26:18
テーマ:ブログ

 五月度のベスト5は、下記の通り。
 1位と4位には、村上春樹のものが入りました。どういう観点から春樹の文学に批判的であらざるを得なかったかが、この記事を読めばわかると思います。
 2位には樋口一葉が入りました。『たけくらべ』とは異なった薄気味の悪い、暗黒作家としての一葉に焦点を当てています。
 文学は、それだけを読めばよいのだという通念が昔からあります。また、作者の時代背景や自伝的要素と照合することによって読みがより深くなるという正反対の意見も根強くあります。確かに『たけくらべ』を読むには、一葉その人についての知識は必要ありません。『にごりえ』やその他の作品は、一葉その人を知ることなしには理解できない、とまで最近の私は思っているのです。
 3位の冨山和子の本は、西洋流の自然概念がワイルドなものとして描かれた場合に、それは無意識のうちに文明による自然破壊がなされたのちの、反省的にとらえ返された単なる抽象であるという風に私はこの書を読みました。”手つかずの自然”など、理念的特産物なのです。自然とは、人間との文化史的な互換作用の元に生まれる、それが冨山和子が与えた我が国の伝統的な自然観なのです。



1位
村上春樹 短編『蛍』と『ノルウェイの森』 流行作家が見失ったものと見捨てたもの
https://ameblo.jp/03200516-0813/entry-12537242557.html

2位
一葉『にごりえ
https://ameblo.jp/03200516-0813/entry-12505542621.html

3位
日本と欧米の自然観の違いについて――富山和子”日本の米”其のほかを読んで
https://ameblo.jp/03200516-0813/entry-12512191978.html

4位
ノルウェイの森” を廻る二人の悪党 その1 永沢さんの場合――社会事象としての村上春樹・第5夜
https://ameblo.jp/03200516-0813/entry-12505536329.htm

5位
鏡花『夜行巡査』と『外科室』
https://ameblo.jp/03200516-0813/entry-12505542768.html