アリアドネの部屋・アネックス / Ⅰ・アーカイブス

アリアドネ会修道院附属図書館・アネックス一号館 本館はこちら→ https://ameblo.jp/03200516-0813  検索はhttps://www.yahoo.co.jp/が良好です。

ATGで見た回想の映画”野の百合” アリアドネ・アーカイブスより

 
映画の内容よりも、ひたすらあの、

エーメン、エーメン、エ~メン、エーメン エーメン

の歌が懐かしい曲、というか映画。同じ時期に見た、パゾリーニの”奇跡の丘”やゴダール”気違いピエロ”の殺伐とした世界に咲いた一群の花、という感じですね。実をいうとみた当時も深い印象を受けた感じの映画ではなくて、映画館を後にして、街角で少しだけ自分が幸せになったように感じる、そんな映画ということでしょうか。

同じ教会を創建の由来を語った映画としても、ベルイマンの”処女の泉”とはずいぶん趣を異にする映画ですね。”処女の泉”に至っては、40年以上もたった現在においてもベルイマンの見解に対する異議を主張するにいたる、そんな映画なのですね。

見た時はそうでなくても、もう二度と見ることはなくても、不思議と細部の記憶が風化されることなく、何事も付け加えることなく、何事も変更のない、色褪せるこののない映画、そんな映画なのです。

この映画を見て、いつか自分もワゴンに身を横たえて、気ままな旅をしてみたいものだと思ったのが、つい昨日のことのように思い出されます。この夢はかなえられて、家族六人で簡易キャンピングカーで、方々の田舎町や河川敷でジプシーまがいの旅行をしたのも懐かしい思い出です。そのころ夕暮れ時になると、ハンドルを握っているすぐ横の娘が言ったものです。”ねえ、ねえ、お父さん、きょうは何所にお泊りするの?”


                ◇◇◇◇◇


野のユリ(1963) goo映画より引用


<あらすじ>

キャンプ用具を積み込んだステーション・ワゴンを運転して気楽な旅を続けている黒人ホーマー(シドニー・ポワチエ)はアリゾナ砂漠のはずれでエンストをおこし、荒地を耕す東独を亡命してきた、修道女たちとあった。修道女たちは、この荒地に教会を建てるという無謀な望みを持っていた。ホーマーは水を貰い、かわりに雨洩りの修理を申し出た。テントで眠っていたホーマーは、翌朝マリア院長(リリア・スカラ)にたたき起こされ、教会設立の準備を命じられた。しかし、マリア院長から渡されたのは、下手な教会のスケッチが1枚だけ。純真なマリアは、神様の導びきでホーマーが、自分たちのためにやってきたに違いないと思い込んでいたのだ。気のいいホーマーはマリア院長の熱意と断固たる信念に押しきられ、仕事を手伝うことになった。建築資財は修道女たちが集めることになった。ホーマーも、女たちに頼りにされて仕事が次第に面白くなっていった。しかし食事の粗末なことには、ホーマーも閉口し、村の建設会社で働き、その給料で食料品を買った。しかしマリア院長は、ホーマーが、資財より食料品を買いこむのが気にいらず、ついにホーマーと衝突し、ホーマーは怒って去っていった。それから何日目かの日曜日が来た。砂漠地帯を歩く修道女のもとに、遊びつかれたホーマーが帰ってきた。修道女たちは感動をもって彼をむかえた。心をいれかえたホーマーは月給で建築資財を買い、独力で教会を建てようとした。これを聞き知った建築会社の社長が助力をかってでた。マリア院長は双手をあげて歓迎した。ホーマーも1度は自尊心を傷つけられ、ムクれたものの、自分の指示の下に仕事がすすめられることに満足した。やがてこの友情と信頼にささえられて教会は完成した。修道女たちが、霊歌を歌うのを後に、ホーマーはステーション・ワゴンで静かに遠ざかっていった。

キャスト(役名)
Sidney Poitier シドニー・ポワチエ (Homer Smith)
Lilia Skala リリア・スカラ (Mother Maria)
Lisa Mann リザ・マン (Sister Gertrude)
Isa Crino アイサ・クリノ (Sister Agnes)
Francesca Jarvis フランセスカ・ジャービス (Sister Albertine)
Pamela Branch パメラ・ブランチ (Sister Elizabeth)
Stanly Adames スタンリー・アダムス (Juan)
Ralph Nelson ラルフ・ネルソン (Harold Ashton)

スタッフ
監督
Ralph Nelson ラルフ・ネルソン

製作
Ralph Nelson ラルフ・ネルソン

原作
William E. Barrett ウィリアム・E・バレット

脚色
James Poe ジェームズ・ポー

撮影
Ernest Haller アーネスト・ホーラー

音楽
Jerry Goldsmith ジェリー・ゴールドスミス