アリアドネの部屋・アネックス / Ⅰ・アーカイブス

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フランス映画”田舎の日曜日”をみる アリアドネ・アーカイブスより

 
まるで見終わった後小津映画を見るような印象に捉われる。画家としての最晩年の悩み。父親ほどには感受性を受け継がなかった実務型の息子とそれに似合いの嫁。彼には賑やかな娘一人と息子二人の子供たちがいる。そこに長女のめづらかな帰宅が重なる。自己の本性と願望が一致しない不安定な娘、しかし父親の感性はこの娘に最もよく受け継がれたのかも知れない。田舎のレストランの庭園で踊る村人に交わって踊る父子。父親の死が間じかに迫っていることを暗示して映画は終わる。

映画を見終わるとスクリーンの残像のように、生あるものには終わりがあることをしみじみと観念させる。実直一方の長男の家族にも死の影は忍び寄っている。病弱の娘は長生きすることはないのだろう。奔放に生きる長女は父親を喜ばせるような家庭人になることはないだろう。たった一日のパリ郊外の画家のアトリエを舞台に親子三代集う喧騒と静寂を描き、死が常に隣り合わせであるがゆえにこそ、日曜日の午後のけだるい日の長さを思わせる二人のダンスと学音の響きは美しい。

以下 goo映画より引用

あらすじ - 田舎の日曜日(1984)

樹木美しいパリ郊外の田舎の秋。1912年のある日曜日の朝。画家ラドミラル氏(ルイ・デュクルー)は、パリから訪ねてくる息子のゴンザグ(ミシェル・オーモン)一家を駅に出迎える仕度をしている。ラドミラル氏の面倒を長年にわたってみている家政婦メルセデス(モニーク・ショメット)が今朝も台所の準備に余念がない。ラドミラル氏が門を出ると、白い服の少女ふたりが縄とびをしている。駅に向かったラドミラル氏は、道の途中でゴンザグ一家を迎えることになる。彼は70歳を越えた脚のおとろえをまざまざと感じるのだった。ゴンザグと嫁のマリー・テレーズ(ジュヌヴィエーヴ・ムニック)と、孫娘で体の弱いミレイユ(カティア・ボストリコフ)と孫息子たちリュシアン(クァンタン・オジエ)と、エミール(トマ・デュヴァル)らが訪れて、賑やかになったラドミラル氏の邸に、また一人めったに訪ねてこない娘イレーヌ(サビーヌ・アゼマ)がやって来た。それは、最新型4輪自動車ドラージュを運転して愛犬キャビアとともに、みんなが昼食を食べて午睡に入った時だった。パリでファッション・ブティックをオープンしたばかりで若々しく美しい彼女は、久しぶりに実家に帰りリラックスするが、彼女は恋に悩んでいる様子だ。恋人からかかってくる筈の電話を待っているのだ。今はいない母(クロード・ヴァンテール)のイメージが現われてイレーヌに言う。“人生にどこまで望めば気がすむの"。ミレイユが木に登って降りれなくなるという騒ぎが起こる。なんとか救い出されるが、今度は、パリからかかる筈の電話がかかってこないのに苛立ったイレーヌがパリに発つと言い出す。娘をなだめて、自分のアトリエに招いたラドミラール氏。彼は、数年前までは風景画を描いていたが、最近はアトリエの中の椅子等のオブジェを描くように変わっており、そこに父の絵に対する苦悩を見るイレーヌ。屋根裏部屋に行った彼女は、そこで美しいレースのショールをたくさん見つけるが、その奥に情熱的な画を発見し感動する。イレーヌに誘われてドライブに出たラドミラル氏は、森の中のレストランで妻の想い出をしみじみと娘に語る。そんな父にイレーヌはいっしょに踊ってと言い出す。二人が家に戻るとパリからの電話が彼女を待っていた。直後、とりみだして去る娘を、そっと送り出す父。夕方になり、ゴンザクたちをいつものように見送った彼は、帰路、ふたりの少女が目に映る。アトリエに入ったラドミラル氏は新しい画布に向かうのだった。

キャスト(役名)
Louis Ducreux ルイ・デュクルー (Monsieru Ladmiral)
Sabine Azema サビーヌ・アゼマ (Ir8fa1b8ne)
Michel Aumont ミシェル・オーモン (Conzague)
Genevieve Monich ジュヌヴィエーヴ・ムニック (Marie Th8fa1a5r8fa1b8se)
Monique Chaumette モニーク・ショメット (Merc8fa1a5d8fa1b8s)
Thomas Duval トマ・デュヴァル (Emile)
Quentin Ogier クァンタン・オジエ (Lucien)
Katia Wostrikoff カティア・ボストリコフ (Mireille)
Valentine Suard (Petite Fille 1)
Erika Paivre (Petite Fille 2)
スタッフ
監督
Bertrand Tavernier ベルトラン・タヴェルニエ
製作
Bertrand Tavernier ベルトラン・タヴェルニエ
原作
Pierre Bost ピエール・ボスト
脚本
Bertrand Tavernier ベルトラン・タヴェルニエ
Colo Tavernier コロ・タヴェルニエ
台詞
Bertrand Tavernier ベルトラン・タヴェルニエ
Colo Tavernier コロ・タヴェルニエ
撮影
Bruno de Keyzer ブルーノ・ド・ケイゼル
音楽
Gabriel Faure ガブリエル・フォーレ
美術
Patrice Mercier
編集
Armand Psenny アルマン・プセニー
衣装(デザイン)
Yvonne Sassinot de Nesle イヴォンヌ・サシノー・ド・ネスル
字幕
山崎剛太郎 ヤマザキゴウタロウ