アリアドネの部屋・アネックス / Ⅰ・アーカイブス

アリアドネ会修道院附属図書館・アネックス一号館 本館はこちら→ https://ameblo.jp/03200516-0813  検索はhttps://www.yahoo.co.jp/が良好です。

2020-07-01から1ヶ月間の記事一覧

生前退位の御意向の談話の言外にあるもの アリアドネ・アーカイブスより

生前退位の御意向の談話の言外にあるもの 2016-08-09 15:38:43 テーマ: 歴史と文学 あるテレビの有識者の一人が言っていたことだが、今回の生前退位に関する陛下のご発言は第二の玉音放送ではないか、というのである。言い得て妙である、と思った。 耐え難…

憲法の文脈から自然に出てくる、生前退位の御意向 アリアドネ・アーカイブスより

憲法の文脈から自然に出てくる、生前退位の御意向 2016-08-09 11:07:02 テーマ: 歴史と文学 1. 憲法を正しく解釈すれば、生前退位の意向が違和感なく自然な心情としても論理としても出てくる、と云うことについて 先日のNHKのインタヴィユーにしても今回…

ホーソーン『緋文字』――アメリカを考える アリアドネ・アーカイブスより

ホーソーン『緋文字』――アメリカを考える 2016-08-08 19:41:38 テーマ: 文学と思想 ナサニエル・ホーソーンの『緋文字』、開拓史時代以前のニューイングランドのセイラムと云う港町を舞台にした姦通ものであり宗教小説である。 小説は、ヒロインのヘスター…

日本の政治システムーー凡庸であることの禍について、安倍晋三氏のことなど

日本の政治システムーー凡庸であることの禍について、安倍晋三氏のことなど NEW!2020-07-29 13:27:00 テーマ: 文学と思想 大げさな表題を書いてしまいましたが、昨日でしたか、田中さんという退役した外務省の高官の方が――確か数年前六か国協議のアジア太平…

言語と言葉――バラクオバマと今上陛下の文体 アリアドネ・アーカイブスより

言語と言葉――バラクオバマと今上陛下の文体 2016-08-07 07:05:10 テーマ: 文学と思想 今年もまた8月6日が来て、また8月9日を迎える。流れる映像を見遣りながら、今年は先日の米国大統領バラク・オバマの慰霊のご挨拶を思い出した人も多かったであろう。こん…

ある神皇正統記――皇室の作法と文体 アリアドネ・アーカイブスより

ある神皇正統記――皇室の作法と文体 2016-08-06 07:05:31 テーマ: 歴史と文学 2016年8月6日 雲の墓標 つくづく陛下を実在の今上天皇陛下として偉大な天皇であると思うのは、憲法の文法の脈絡を自らの実存に重ねて生きられたこと、その生きる過程のなかから、…

陛下、生前退位の御意向の背後にあるもの――象徴天皇制の背景と意義 アリアドネ・アーカイブスより

陛下、生前退位の御意向の背後にあるもの――象徴天皇制の背景と意義 2016-08-05 11:58:05 テーマ: 歴史と文学 (要 旨) ちなみに、陛下にとって国民の定義は何かといえば、現下にある国民であるとともに、悼みの対象としての戦没者を含む広く死者たちの世界…

言葉とは何か? アリアドネ・アーカイブスより

言葉とは何か? 2016-08-04 13:56:43 テーマ: 文学と思想 言葉とは何か、という問題は奥深い。 昔から言語機能論とも言語手段論とでも呼べる考え方があって、言語成り言葉とは、心なるものの世界の奥に内在する考え方なりある種の観念を表現するための、手…

言葉と文体 アリアドネ・アーカイブスより

言葉と文体 2016-07-31 11:15:44 テーマ: 文学と思想 言葉と文体 太陽の季節三部作・その3 (要 旨) 言葉は個性と云うものと繋がっています。 文体は時代と云うものと繋がりを持っています。 言葉を持つ、文体を持つと云うことについて考えてみましょう。…

追悼 皆川達夫さん

追悼 皆川達夫さん NEW!2020-07-25 08:08:45 テーマ: 音楽と歌劇 皆川達夫さんの死を随分経ってから知りました。何気なく聞こえてくる妻のラジオから好きなバッハの曲だったのでそのまま聞いていたのですが、バッハが畳み込まれるように、二曲重ねられて、…

続『本郷』拾遺 木下順二・幻の処女作『嫂』と漱石の『三四郎』と『草枕』と アリアドネ・アーカイブスより

続『本郷』拾遺 木下順二・幻の処女作『嫂』と漱石の『三四郎』と『草枕』と 2016-02-01 11:35:03 テーマ: 文学と思想 木下順二著『本郷』については語り残したことが二つある。ひとつは作者の若書きの書、幻の処女作となったかもしれない『嫂』と云う作品…

木下順二の『本郷』――作家の恣意と表現力 アリアドネ・アーカイブスより

木下順二の『本郷』――作家の恣意と表現力 2016-01-31 00:05:58 テーマ: 文学と思想 http://bkmkn.s3-website-ap-northeast-1.amazonaws.com/9784061960305/9784061960305_l.jpg 本郷、わたくしもまた本郷めぐりと云うよりも、主として樋口一葉と鷗外、漱石…

村上春樹現象 アリアドネ・アーカイブスより

村上春樹現象 2016-01-24 17:36:41 テーマ: 文学と思想 ノーベル文学賞をめぐる喧しい話題もほぼ消えたころだから、論点として取り上げることにする。わたしも熱くはない春樹ファンの一人として、今年こそは、という気持ちであることは日本人の心情として間…

パリと云う町・4――サン・ブノワ街 五番地四階 左側 アリアドネ・アーカイブスより

パリと云う町・4――サン・ブノワ街 五番地四階 左側 2014-01-13 01:28:14 テーマ: 文学と思想 ・ サン・ブノワ街 (左・プチ・サン・ブノワ 右建物4階・デュラス旧宅) 五日間いたパレ・ガルニエ界隈のアパルトマンを去って午前中にバスティーユとマレ地区…

”ガルシア・ロルカの世界”――生誕百年記念(1998年) ・再録 アリアドネ・アーカイブスより

”ガルシア・ロルカの世界”――生誕百年記念(1998年) ・再録 2016-01-12 12:31:34 テーマ: 文学と思想 下記に再録する文章は2011年の8月に、ガルシア・ロルカに関する記念論文集を紹介するために書いたわたくしの記事です。わたくしはこの紹介文の中で、我が…

十三夜 一葉樋口夏子ことひなっちゃんを偲んで 『おおつごもり』、『にごりえ』、『十三夜』 アリアドネ・アーカイブスより

十三夜 一葉樋口夏子ことひなっちゃんを偲んで 『おおつごもり』、『にごりえ』、『十三夜』 2015-10-25 21:31:16 テーマ: 文学と思想 美しい月夜は・・・・・。――今日は十三夜なのだ、ということに思い当たる。月は今宵まさに天空にある。一昨日の二十三日…

ジェイムズの『聖なる泉』 アリアドネ・アーカイブスより

ジェイムズの『聖なる泉』 2013-07-09 22:19:47 テーマ: 文学と思想 ・ 伝説的なヘンリー・ジェイムズの問題作、『聖なる泉』のいよいよの登場である。 さるアメリカ人が電車の中で読書する日本人の題名を見て、それが『黄金の盃』であることを知って、米国…

ジェイムズの『聖なる泉』 アリアドネ・アーカイブスより

ジェイムズの『聖なる泉』 2013-07-09 22:19:47 テーマ: 文学と思想 ・ 伝説的なヘンリー・ジェイムズの問題作、『聖なる泉』のいよいよの登場である。 さるアメリカ人が電車の中で読書する日本人の題名を見て、それが『黄金の盃』であることを知って、米国…

樋口一葉の天才 アリアドネ・アーカイブスより

樋口一葉の天才 2016-01-20 11:35:28 テーマ: 文学と思想 http://www.geidai.net/postcard/173.jpg 樋口一葉との交友関係を語るのに一番劇的なのは、北村透谷、一葉に会うためにいったん家を出ながら思い直したのか、引き返し、その後帰らぬ人となった。一…

7月のベスト5・中間発表

7月のベスト・5(中間) NEW!2020-07-15 23:10:21 テーマ: ブログ 七月のベスト・5の中間発表です。 選ばれたものは順位は上下するものの、ここのところ大体同じ配列で、村上春樹のものが決まって二編入っている。いずれも古い記事で、2011年から12年にか…

フランソワーズ・サガンの初期四部作、あるいは天才について アリアドネ・アーカイブスより

フランソワーズ・サガンの初期四部作、あるいは天才について 2016-01-19 18:27:18 テーマ: 文学と思想 http://msp.c.yimg.jp/yjimage?q=ZpLod6UXyLE5UNcv27OFREV5.Y4_5LWnxfELoDm6DjPVv1ODinF6y.nrTDxLvpqyj_E2pvNd_U4mJ2iWl.ORMLZDtbzMfDp122g.TYuOymiZXtR…

村上春樹の『蛍』 アリアドネ・アーカイブスより

村上春樹の『蛍』 2015-10-22 17:28:26 テーマ: 文学と思想 今年もまた期待はずれに終わったが 村上春樹とノーベル賞の関係が 話題を賑わせたが、久しぶりに、 村上春樹とは誰なのか、 と云う意識に駆られて 好きな初期の作品から読んでみた。 村上春樹の『…

白洲正子の武相荘 アリアドネ・アーカイブスより

白洲正子の武相荘 2016-01-14 22:25:27 テーマ: 文学と思想 数年前に、福岡のアジア美術館と云うところで白洲正子展があり、そのときに彼女の書斎が原寸大で正確に再現されていたのを記憶している。書斎よりもわたくしたちに一等興味深いのは、彼女の本棚で…

風の盆とマーラーと旅の思い出 アリアドネ・アーカイブスより

風の盆とマーラーと旅の思い出 2015-09-04 15:58:19 テーマ: 回想の旅たち https://www.youtube.com/watch?v=uuuQmA-zj4U https://www.youtube.com/watch?v=L2rcF01CHoM https://www.youtube.com/watch?v=A6rJl9jewQM ・ NHKの新日本紀行と云う番組で、…

注釈 空白と無と云う概念の起源 アリアドネ・アーカイブスより

注釈 空白と無と云う概念の起源 2015-09-01 20:16:08 テーマ: 宗教と哲学 空白と無と云う概念の起源 先稿ブログの本文につけた注釈の再録です。 問題提起:空白や無の概念は、 古代ギリシアや東洋哲学の昔から 本当にあったのか。 資本主義と云うシステムの…

樋口一葉と子供の世界 アリアドネ・アーカイブスより

樋口一葉と子供の世界 2015-08-31 21:00:09 テーマ: 文学と思想 ・ 柳田国男がある本の中で言っていることですが、親は子供を可愛がると云う自明視された慣習は案外古い起源を持っていなかった、そんなことを書いています。またある英文学の批評家は今日デ…

透明な愛 乾いた愛 枯れた愛 アリアドネ・アーカイブスより

透明な愛 乾いた愛 枯れた愛2015-08-30 09:21:33テーマ:文学と思想 それほど近代日本文学に精通していませんので数少ない事例で云いますと、表題のような愛のかたち、日本文学にもあるのでしょうか。 樋口一葉に『ゆく雲』と云うのがあります。単純なお話で…

明治の青春と文豪たち、鷗外、漱石 アリアドネ・アーカイブスより

明治の青春と文豪たち、鷗外、漱石2015-08-14 11:37:50テーマ:文学と思想 ・ 森鷗外に『空車(むなぐるま)』と云う随筆がある。空車は空車(くうしゃ)ではないと鷗外は言う。かかる古語の響きは往古の絵巻物の世界に出てくる物見車か牛車の類いかと思えば…

マルセル・プルーストの眼 アリアドネ・アーカイブスより

マルセル・プルーストの眼2018-07-06 13:57:57テーマ:文学と思想 自らも言うごとく、マルセル・プルーストの人間観察の冷徹さ、辛辣さは、シニスムを超えて光学顕微鏡とレントゲン撮影を合わせもつほどのリアリズムを実現させていますが、その特徴と云えば…

水城の別れ

水城の別れNEW!2020-07-04 23:12:06テーマ:わたしの住んでいる町 国道三号線を南下し、水城の土塁が見える切通を通過するたびに、いつも旅人のことは忘れていて、不意打ちのように、休憩がてら何気なく石碑を読んで決まって涙が出てしまう、不思議です。待…