アリアドネの部屋・アネックス / Ⅰ・アーカイブス

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2020-04-13から1日間の記事一覧

フランス映画『汚れた血』 アリアドネ・アーカイブスより

フランス映画『汚れた血』2018-06-26 20:57:29テーマ:映画と演劇 今夜は地元の福岡大学における公開講座フランス語額圏よりの映画の紹介です。2018・6・25 18:00~21:00 この記事の中から、一つの伝えたい言葉を抜き出しておきますね。 愛は、個人の自覚…

リアリティと実感――松本俊夫の世界その⑷ アリアドネ・アーカイブスより

リアリティと実感――松本俊夫の世界その⑷2018-06-26 15:40:21テーマ:映画と演劇 『ドグラ・マグラ』と云う世界、複雑なようにも単純なようにも見えます。系統的履歴の遺伝と云う肉体的なもののみに限定されない、後天的なものが、履歴生得が繰り返し繰り返さ…

『ドグラ・マグラ』1988――松本俊夫の世界その⑶   アリアドネ・アーカイブスより

『ドグラ・マグラ』1988――松本俊夫の世界その⑶2018-06-26 13:11:08テーマ:映画と演劇 『ドグラ・マグラ』と云う映画 今回この映画を観て、一部には名高い夢野久作の世界の一端に触れた気がしました。同じ九州生まれの作家であり、福岡を主な在住拠点とし、…

『修羅』1971--松本俊夫の世界その⑵ アリアドネ・アーカイブスより

『修羅』1971--松本俊夫の世界その⑵2018-06-24 19:35:05テーマ:映画と演劇 赤穂義士の仇討ちに加わるための百両の金子をめぐる、不可解な巡り合わせの数々を語る、鶴屋南北の世界に原作を求めた映像作品である。松本俊夫が優れた映像作家であり、同時に映…

『薔薇の葬列』1969――松本俊夫の世界その⑴  アリアドネ・アーカイブスより

『薔薇の葬列』1969――松本俊夫の世界その⑴2018-06-24 18:43:05テーマ:映画と演劇 六十年代の終わりの頃、新宿のゲイバーの花形である美少年エディは、現在のママであるレダとその座を争い、彼女を死に追いやり、店もオーナーの心も共に手に入れるが、やがて…

鈴木清順映画月間最終日――『河内カルメン』と『オペレッタ狸御殿』 アリアドネ・アーカイブスより

鈴木清順映画月間最終日――『河内カルメン』と『オペレッタ狸御殿』2018-05-29 18:51:49テーマ:映画と演劇 最終日は午前中に『代わりカルメン』をみ、午後から『オペレッタ狸御殿』を観る。 河内に隣接する生駒山系の麓の村に住むもぎたての果実のような娘が…

日本人の男らしさの矜持 アリアドネ・アーカイブスより

日本人の男らしさの矜持2018-05-24 08:18:57テーマ:文学と思想 昨今の様々の不祥事に伴う男たちの言い逃れの構図を見ていると、日本人の男らしさの論理はどうなっているのだろうか、と思う。私はなにも昔は良かったなどと云う話をするつもりはなくて、終戦…

清順の美学その2・下—―『陽炎座』 アリアドネ・アーカイブスより

清順の美学その2・下—―『陽炎座』2018-05-22 22:38:53テーマ:映画と演劇 次は『陽炎座』1981年である。構成が複雑で荒唐無稽である割には、終わってみれば単純なお話である。回帰と幻想の絢爛たる映像美の世界と云えるが、内容的にはさほどのものはない。 …

清順の美学その2・上—―『ツィゴイネルワイゼン』 アリアドネ・アーカイブスより

清順の美学その2・上—―『ツィゴイネルワイゼン』2018-05-22 17:15:53テーマ:映画と演劇 『ツィゴイネルワイゼン』1980年と『陽炎座』1981年、無内容で無理想と云う意味では、彼がものしてきた日活時代のヴァイオレンスものと変わりはない。 前者は、自殺願…

清順の美学その1――『野獣の青春と』l『殺しの烙印』 アリアドネ・アーカイブスより

清順の美学その1――『野獣の青春と』l『殺しの烙印』2018-05-22 16:49:07テーマ:映画と演劇 『野獣の青春』1963年と『殺しの烙印』1967年、映画自体には驚かなかったが、技法には驚いた。 後者は、殺し屋たちの戦後の挽歌を描いた抒情詩と云っても良いだろう…

『失われた時を求めて』第一篇・第一部・第一章について アリアドネ・アーカイブスより

『失われた時を求めて』第一篇・第一部・第一章について2018-05-21 17:19:08テーマ:文学と思想 有名なプチットマドレーヌのフランス菓子の挿話で終わる長大な長編小説の最初の百ページほどが、雑然と茫漠とした体裁をとりながら、なかなかに巧みに書かれて…

高遠訳プルースト『失われた時を求めて・Ⅰ』第一篇「スワンの家の方へ・Ⅰ」第一部コンブレ―第一章 アリアドネ・アーカイブスより

高遠訳プルースト『失われた時を求めて・Ⅰ』第一篇「スワンの家の方へ・Ⅰ」第一部コンブレ―第一章 2018-05-18 08:28:33テーマ:文学と思想 コンブレーについての私の就寝にかかわるドラマと舞台以外の全てが存在しなくなって既に多くの歳月が流れたある日の…

高遠訳プルースト『失われた時を求めて・Ⅰ』第一篇「スワンの家の方へ・Ⅰ」第一部コンブレ―第一章 アリアドネ・アーカイブスより

高遠訳プルースト『失われた時を求めて・Ⅰ』第一篇「スワンの家の方へ・Ⅰ」第一部コンブレ―第一章 2018-05-17 15:01:06テーマ:文学と思想 (要約 p104- 113) 祖母の知的な趣味、――物質的な安楽と虚栄心以外に喜びを見出す、美しいものから得られる効用を説…

高遠訳プルースト『失われた時を求めて・Ⅰ』第一篇「スワンの家の方へ・Ⅰ」第一部コンブレ―第一章 アリアドネ・アーカイブスより

高遠訳プルースト『失われた時を求めて・Ⅰ』第一篇「スワンの家の方へ・Ⅰ」第一部コンブレ―第一章 2018-05-17 11:55:55テーマ:文学と思想 父が私たちの前に立っていた。 ここで意外なことが起きる。父は原則に捕らわれない人であったし、コンブレーの中世以…

高遠訳プルースト『失われた時を求めて・Ⅰ』第一篇「スワンの家の方へ・Ⅰ」第一部コンブレ―第一章 アリアドネ・アーカイブスより

高遠訳プルースト『失われた時を求めて・Ⅰ』第一篇「スワンの家の方へ・Ⅰ」第一部コンブレ―第一章 2018-05-17 08:16:31テーマ:文学と思想 同じような苦悩がスワンの人生で長年の苦しみの種のなってきたのだった。スワン以上に私を理解してくれる人間はいな…

高遠訳プルースト『失われた時を求めて・Ⅰ』第一篇「スワンの家の方へ・Ⅰ」第一部コンブレ―第一章 アリアドネ・アーカイブスより

高遠訳プルースト『失われた時を求めて・Ⅰ』第一篇「スワンの家の方へ・Ⅰ」第一部コンブレ―第一章 2018-05-16 21:52:07テーマ:文学と思想 (要約 p68-84) とは言え家族のなかでスワンの訪問を一番苦痛に感じていたのは私だった。誰であれ客がある場合はそう…

高遠訳プルースト『失われた時を求めて・Ⅰ』第一篇「スワンの家の方へ・Ⅰ」第一部コンブレ―第一章 アリアドネ・アーカイブスより

高遠訳プルースト『失われた時を求めて・Ⅰ』第一篇「スワンの家の方へ・Ⅰ」第一部コンブレ―第一章 2018-05-16 10:25:17テーマ:文学と思想 (要約 p61-63) ところで祖母の古い知り合いに、彼女が幼年期の寄宿舎時代の友があった。有名なブイヨン家のヴィル…

高遠訳プルースト『失われた時を求めて・Ⅰ』第一篇「スワンの家の方へ・Ⅰ」第一部コンブレ―第一章 アリアドネ・アーカイブスより

高遠訳プルースト『失われた時を求めて・Ⅰ』第一篇「スワンの家の方へ・Ⅰ」第一部コンブレ―第一章 2018-05-16 06:36:18テーマ:文学と思想 以上が『失われた時を求めて』の主要人物であるスワン氏の父親に関する物語であるが、こうした父個の関係を描くこと…

高遠訳プルースト『失われた時を求めて・Ⅰ』第一篇「スワンの家の方へ・Ⅰ」第一部コンブレ―第一章 アリアドネ・アーカイブスより

高遠訳プルースト『失われた時を求めて・Ⅰ』第一篇「スワンの家の方へ・Ⅰ」第一部コンブレ―第一章 2018-05-15 16:37:09テーマ:文学と思想 (要約 p45-49) 眠る時間になって二階に上がっていくときに私の唯一の慰めとなったのは、ベッドにもぐりこんだ頃お母…

高遠訳プルースト『失われた時を求めて・Ⅰ』第一篇「スワンの家の方へ・Ⅰ」第一部コンブレ―第一章 アリアドネ・アーカイブスより

高遠訳プルースト『失われた時を求めて・Ⅰ』第一篇「スワンの家の方へ・Ⅰ」第一部コンブレ―第一章 2018-05-15 10:37:46テーマ:文学と思想 (要約 p36-37) そのころコンブレーでは午後の終わり近くなると、そこは常に苦しみに満ちた場所となった。と云うのも…

高遠訳プルースト『失われた時を求めて・Ⅰ』第一篇「スワンの家の方へ・Ⅰ」第一部コンブレ―第一章 アリアドネ・アーカイブスより

高遠訳プルースト『失われた時を求めて・Ⅰ』第一篇「スワンの家の方へ・Ⅰ」第一部コンブレ―第一章 2018-05-14 17:37:33テーマ:文学と思想 これからマルセル・プルーストの長大な大長編『失われた時を求めて』(全七巻)を、ゆっくりと、ゆっくりと、ため息…

鈴木清順監督の『悪太郎』 アリアドネ・アーカイブスより

鈴木清順監督の『悪太郎』2018-05-14 09:59:42テーマ:映画と演劇 今東光の原作による、自伝的な青春ドラマである。観る側に既に先入見のごときもの――古い日活時代の活劇擬きと云う――があるので、それなりのつもりでシネラと云う図書館付設の映画館に見に行…

東ドイツの映画『嘘つきヤコブ』とハリウッドのリメイク版『聖なる嘘つき――その名はジェイコブ』 アリアドネ・アーカイブスより

東ドイツの映画『嘘つきヤコブ』とハリウッドのリメイク版『聖なる嘘つき――その名はジェイコブ』2018-05-13 19:34:00テーマ:映画と演劇 すでに前者については紹介した嘘つきヤコブをめぐる映画を、本場の東ドイツの映画人によるものと、二十数年後のハリウ…

死を死んで、死を生きる――平成の最末年を生きて アリアドネ・アーカイブスより

死を死んで、死を生きる――平成の最末年を生きて2018-05-07 13:07:34テーマ:文学と思想 もともと政治などにはこの世の戯言として無関心だった私が、政治や政局の動向に目を配る様になったのは、2015年9月の安保関係諸法案をめぐる攻防戦の可否が決定する最終…

安倍政権を哲学的に考える? あアリアドネ・アーカイブスより

安倍政権を哲学的に考える?2018-05-07 07:02:29テーマ:政治と経済 さしたる個性もない特性のない男が、凡庸でさしたさる知性も教養があるわけでもない小人物が、驚くべきことに一億を超える国家の民主主義的思潮と国民の総意を主導する、国民の政治的基調…

けっきょくいまのにほんにおきていることはこういうことではないでしょうか アリアドネ・アーカイブスより

けっきょくいまのにほんにおきていることはこういうことではないでしょうか2018-05-06 14:24:17テーマ:政治と経済 ――あるコメント欄からの再録 私の知らない間に、列島には民族の大移動と質的な変化があったようです。 政治を支える基盤の大きな変質と云う…

中西輝政✖佐伯啓思「『保守論壇』の劣化が止まらない」 アリアドネ・アーカイブスより

中西輝政✖佐伯啓思「『保守論壇』の劣化が止まらない」2018-05-03 15:41:11テーマ:文学と思想 ――憲法の日に。 日本の右翼思想なり保守を大雑把に別ければ、固有の思想と云うよりも、心情右翼と親米右翼に類別され、後者の進化的一形態に至っては、むしろビ…

ビジネス右翼と心情右翼のちがい――実存の言葉で対峙する アリアドネ・アーカイブスより

ビジネス右翼と心情右翼のちがい――実存の言葉で対峙する2018-05-01 08:29:58テーマ:政治と経済 ・・・・・と、言えば、いつもわたくしは安倍夫妻のことを思い出してしまうのですね。 晋三氏には動物的な勘とか嗅覚のようなものがあって、自由主義経済が曲が…

政治家と政治屋、心情右翼とビジネス右翼 アリアドネ・アーカイブスより

政治家と政治屋、心情右翼とビジネス右翼2018-04-29 09:39:00テーマ:政治と経済 まあ、こんなことを言えばリベラルや護憲派の方から反発をかうと思いますが、安倍政権の不思議な七転び八起きとも云える状態、偶然と海外情勢のデマゴギーに助けられている面…