アリアドネの部屋・アネックス / Ⅰ・アーカイブス

アリアドネ会修道院附属図書館・アネックス一号館 本館はこちら→ https://ameblo.jp/03200516-0813  検索はhttps://www.yahoo.co.jp/が良好です。

2020-02-01から1ヶ月間の記事一覧

『ハムレット』序章――柄谷行人に逆らって――四代悲劇を論じるために・その1 アリアドネ・アーカイブスより

『ハムレット』序章――柄谷行人に逆らって――四代悲劇を論じるために・その12013-11-14 23:12:56テーマ:文学と思想 http://www.hakusuisha.co.jp/images/product/07023.gif ・ 随分むかしに、柄谷行人が『意味と云う病』(昭和54年)と云う本の中で『マク…

ぼろぎれのように・・・・・ アリアドネ・アーカイブスより

ぼろぎれのように・・・・・2013-11-10 18:24:55テーマ:Yahoo!ブログ移行 最近、コンビニエンスストアの前など街角にたむろする若者たちを見かける。一見不敵であるようにも見える。しかしどうかすると、どうしてこんなところにと思われる街角の暗がりに蹲…

岩波ホールと映画『ハンナ・アーレント』アリアドネ・アーカイブスより

岩波ホールと映画『ハンナ・アーレント』2013-11-07 18:41:29テーマ:映画と演劇 http://image.eiga.k-img.com/images/movie/77521/poster2/200.jpg?1380613967 ・ 偶然立ち寄った東京での映画を観る事の予期できなかった僥倖もさる事ながら、地方人にとって…

フランクルの『夜と霧』について アリアドネ・アーカイブスより

フランクルの『夜と霧』について アリアドネ・アーカイブスより2013-11-10 10:10:19テーマ:文学と思想 http://ecx.images-amazon.com/images/I/41X13RTCGRL._SL500_AA300_.jpg ・ 有名なフランクルの『夜と霧』である。アウシュビッツの過酷な環境の中から…

映画『ハンナ・アーレント』アリアドネ・アーカイブスより

映画『ハンナ・アーレント』アリアドネ・アーカイブスより2013-11-08 11:34:49テーマ:映画と演劇 ・ この映画もまた、そして背景にあるアーレントのアイヒマン裁判に向けた意思が誤解されやすくしてしまったのは、映画にもあるキャッチフレーズ、「悪の凡庸…

村上春樹問題?――私の村上春樹五番勝負 アリアドネ・アーカイブスより

村上春樹問題?――私の村上春樹五番勝負2013-10-17 11:45:36テーマ:文学と思想 毎年この季節になると、ここ数年、ノーべル賞と村上春樹の話題が日本人にとって悩ましき問題?の一つになりつつある。悩ましいとは言っても良い方向の話題なのであるから悩む必…

成瀬己喜男の『鰯雲』アリアドネ・アーカイブスより

成瀬己喜男の『鰯雲』2013-10-03 01:58:41テーマ:映画と演劇 http://livedoor.blogimg.jp/michikusa05/imgs/c/7/c7859305.jpg?8fc8ee22 戦後の農地解放にって揺れ動く東京近郊の農村を背景に、変化する地主と小作の関係、戦争が残した深い傷跡、時代に置い…

アリアドネの部屋よ、ふたたび!――休館のお知らせに代えて アリアドネ・アーカイブスより

アリアドネの部屋よ、ふたたび!――休館のお知らせに代えて2013-10-01 10:13:43テーマ:アリアドネの部屋縁起 感受性の受容体としての主観にはさまざまな形がありますが、芸術的鑑賞 の主体が、単なる日常的な主観や、学問や公共性の主体をなす論理的な 主観…

中村登の『暖春』 アリアドネ・アーカイブスより

中村登の『暖春』2013-09-28 16:57:41テーマ:映画と演劇 http://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3b/5c/05d09bcf9c10c00f8594a6768e645347.jpg ・ 自分が誰の子か解らない!――若いころ祇園の芸妓としていた母親に、同時の三人の京大学生の遊び仲間が居て、そ…

遠藤周作の『侍』――へめぐりさぶろうもの アリアドネ・アーカイブスより

遠藤周作の『侍』――へめぐりさぶろうもの2013-09-27 05:34:56テーマ:文学と思想 http://ecx.images-amazon.com/images/I/612dTugB58L._SL500_AA300_.jpg ・ この小説は一人の野心的な宣教師の手段に乗せられて、東北の一寒村の半農半漁ならぬ、半農半武の武…

言語についての断片群――あるキリスト教映画に寄せて アリアドネ・アーカイブスより

言語についての断片群――あるキリスト教映画に寄せて2013-09-26 02:53:55テーマ:文学と思想 以下の文章は、未定稿の書き込みからの採録です、ご容赦ください。 神の子としての現実を、神の子としての地平で生きることも出来る。 神の子としての現実を、人と…

成瀬『山の音』対小津『東京暮色』――日本の父親像をめぐって アリアドネ・アーカイブスより

成瀬『山の音』対小津『東京暮色』――日本の父親像をめぐって2013-09-21 11:08:31テーマ:映画と演劇 ・ 1954年と57年と、日本を代表する名匠とも云うべき小津、成瀬両監督の両作品は実に似ている。 似ていると云うのは、ドラマの構成において――何れも物語筋…

言語とことば,――あるいは飲み食い的理性批判 アリアドネ・アーカイブスより

言語とことば,――あるいは飲み食い的理性批判2013-09-20 18:41:01テーマ:文学と思想 字数をオーバーしたために、『東京暮色』論より、分離する。 【付説:言語と言葉の関係】 「言語」によって、人は、ホモサピエンスとしての人は「人」となる。人は蚕のよう…

言葉を喪ったものの悲劇――小津の『東京暮色』(1957年)をめぐって アリアドネ・アーカイブスより

言葉を喪ったものの悲劇――小津の『東京暮色』(1957年)をめぐって2013-09-20 09:19:28テーマ:映画と演劇 ・ 意外にみなさんが言わないことですが、――例えば『東京物語』の小津の家庭の描き方にみる虚構性、――本当の親子ならあんな客観視した描き方はしない…

溝口健二の『残菊物語』(1939年)アリアドネ・アーカイブスより

溝口健二の『残菊物語』(1939年)2013-09-12 07:07:48テーマ:映画と演劇 http://ecx.images-amazon.com/images/I/513pbdVCKsL._SL500_AA300_.jpg ・ 陳腐なお話といえばそれまでだろう。歌舞伎の名家に生まれていずれは叔父の元で尾上家を継ごうとする菊之…

木下恵介の『楢山節考』(1958年)アリアドネ・アーカイブスより

木下恵介の『楢山節考』(1958年)2013-09-11 09:07:42テーマ:映画と演劇 http://ecx.images-amazon.com/images/I/51A7K0ODUzL._AA160_.jpghttp://ecx.images-amazon.com/images/I/616vg8gLOYL._AA160_.jpg ・ 悲惨なこの姨捨の伝説を、リアリズムの方向で…

清水宏の『風の中の子供』(1937年) アリアドネ・アーカイブスより

清水宏の『風の中の子供』(1937年)2013-09-10 08:35:44テーマ:映画と演劇 http://ecx.images-amazon.com/images/I/11oiQv7xLDL._SL500_AA300_.jpg・ 一言で言えば一夏の、だが、子供達にとってはとんでもない夏休みを挟んだ日々であったろう、と思われる…

吉村公三郎の『安城家の舞踏会』 アリアドネ・アーカイブスより

吉村公三郎の『安城家の舞踏会』2013-09-09 09:25:57テーマ:映画と演劇 http://ecx.images-amazon.com/images/I/51b8Xp4S8bL._SL500_AA300_.jpg ・ 失われていく華族制度の崩壊を背景に、安城家の人々が、旧社期の枠組みや制度、そして慣習や因習をさって生…

映画『サガン』について アリアドネ・アーカイブスより

映画『サガン』について2013-09-07 18:25:44テーマ:映画と演劇 http://ecx.images-amazon.com/images/I/51T%2B7VedY0L._SL500_AA300_.jpg ・ フランソワーズ・サガンと言う、かって一世を風靡した女流作家の、栄光から一転して死に至るまでを描いた映画であ…

わたしの選んだ成瀬の五番勝負 アリアドネ・アーカイブスより

わたしの選んだ成瀬の五番勝負2013-09-07 14:02:45テーマ:映画と演劇 ・ 成瀬巳喜男の場合は、小津作品のように番付がすんなりとは出てこない。何が優れているかと言うより、何を好むかである。また、厳密に小津調と言う形式に固持することも少なく、悪く言…

わたしが選んだ小津の五番勝負 アリアドネ・アーカイブスより

わたしが選んだ小津の五番勝負2013-09-07 10:47:56テーマ:映画と演劇 ・ 1、東京物語(1953年) 主演:原節子・笠智衆・東山千恵子ほか 2、麦秋(1951年) 主演:原節子・杉村春子ほか 3、晩春(1949年) 主演:原節子・笠智衆ほか 4、秋日和(1960年)…

小津の『戸田家の兄妹』(1941年)アリアドネ・アーカイブスより

小津の『戸田家の兄妹』(1941年)2013-09-06 17:18:47テーマ:映画と演劇 http://ecx.images-amazon.com/images/I/514J5wMqBrL._SL500_AA300_.jpg 1941年のこの古い映画を見て意外に感じるのは戦前のブルジョワ家庭の近代性である。文化や生活習慣などは階…

小津と成瀬巳喜男の名場面解釈を通じて・・・・・アリアドネ・アーカイブスより

小津と成瀬巳喜男の名場面解釈を通じて・・・・・2013-09-06 11:31:32テーマ:映画と演劇 http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/0/01/Yasujiro_Ozu_cropped.jpg/200px-Yasujiro_Ozu_cropped.jpg http://upload.wikimedia.org/wikipedia/comm…

今村昌平の『豚と軍艦』――日本のヌーヴェルバーグ先駆 アリアドネ・アーカイブスより

今村昌平の『豚と軍艦』――日本のヌーヴェルバーグ先駆2013-09-06 08:56:47テーマ:映画と演劇 http://ecx.images-amazon.com/images/I/512AD28ABXL._SL500_AA300_.jpg ・ 日本で今村昌平監督というと、土俗的とか庶民の持つバイタリティとか言われるが、この…

もうひとつの東京物語――成瀬巳喜男の『娘・妻・母』アリアドネ・アーカイブスより

もうひとつの東京物語――成瀬巳喜男の『娘・妻・母』2013-09-05 12:04:38テーマ:映画と演劇 この作品は、下記の豪華なキャスティングをみればお正月映画などのお祭りめいた作り物として造られたのかとも思えるほどだが、みてみて、思わずうなってしまった、…

今村昌平の『にあんちゃん』(1959年)アリアドネ・アーカイブスより

今村昌平の『にあんちゃん』(1959年)2013-09-03 19:20:05テーマ:映画と演劇 http://ecx.images-amazon.com/images/I/2108FQ24MSL._SL500_AA300_.jpg ・ 今村昌平監督の最初期に属する映画『にあんちゃん』、題名のみ有名で知らずに過ごしてきたのだが、小…

木下恵介の『笛吹川』(1960年)アリアドネ・アーカイブスより

木下恵介の『笛吹川』(1960年)2013-09-02 23:10:49テーマ:映画と演劇 http://ecx.images-amazon.com/images/I/21VKKF9QYNL._SL500_AA300_.jpg・ 笛吹川を渡る長い橋の袂にある一軒家が終始この物語の舞台である。この家族の四代に渡る興亡史を武田家の滅…

ハーディ『恋魂』、ふた通りの読み方 アリアドネ・アーカイブスより

ハーディ『恋魂』、ふた通りの読み方2019-02-28 13:19:04テーマ:文学と思想 トマス・ハーディの『恋魂』、二つの読み方があるようですね。 一番目は、主人公の青年が恋のイデアに翻弄される話。本人は、自分の性癖を病として捉えていて、何時までも老いるこ…

トマス・ハーディ『恋魂』(こいたま)アリアドネ・アーカイブスより

トマス・ハーディ『恋魂』(こいたま)2019-02-27 11:08:05テーマ:文学と思想 『恋魂』はトマス・ハーディの生涯最後の小説である。 一人の男と複数の女たちとの愛の遍歴を二十年間の歳月を背景に描かれているのだが、一つの家系に繋がれ連ねた愛の痕跡と云…

『尼僧ヨアンナ』とキリスト教 アリアドネ・アーカイブスより

『尼僧ヨアンナ』とキリスト教2013-09-02 13:46:57テーマ:映画と演劇 1.組織悪と悪の淵源について ・ それほど良い映画だとは思わないけれどもこの映画を二度見直した。モノクロの強烈なコントラストから来る強烈なイメージは、キリスト教と呼ばれたもの…